マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

マインドファック『ブラック・ムーン』

ブラック・ムーン 《IVC 25th ベストバリューコレクション》 [DVD]

不思議の国の黙示録

ブラック・ムーン

1975年公開

監督 ルイ・マル

脚本 ルイ・マル
   ジョイス・ブニュエル
   ジスラン・ウーリー

出演 キャスリン·ハリソン
   ジョー・ダレッサンドロ
   アレクサンドラ・スチュワルト

ストーリー
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これは理屈の通じない別世界の話です
夢のような旅へどうぞ
           ルイ・マル
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ストーリー説明すら蛇足と感じたほどに、あらゆる面で難解な幻想描写が目立つ、ルイ・マル監督の芸術系ファンタジー(?)映画。
話は詳しく説明したところで「アライグマを車で轢いた女が男女で戦争起こしてる一団に絡まれて、逃げるように近くの屋敷に入ったら通信機で会話する婆さんや裸で豚と戯れる子供達、挙句の果てにユニコーンまで出てきてしまった。なんぞこれ」といった具合なので、内容に意味や整合性を求めずに、ただ流れに身を任せて鑑賞するのが好ましいでしょう
全体の雰囲気として「不思議の国のアリス」をモチーフにしてか、頭のネジをゆるめて発想したような、「存在理由がまるで解らない」ものがウジャウジャ登場する構成をとっています。ただそこに「行動理由もまるで解らない」という救済処置皆無な冒険を施していますが。
しかし本作が興業的にはともかく、評論家受けをしたのは事実。70年代、それも高い予算が導入されている訳でもないのに、発想と探究心でここまで自由な世界観を構築できたのは見事と言えます。
それでも暇つぶしにと言うよりは、ハナから「芸術映画を観るんだ」と意気込んで視聴するのがモチベーション的には正しいかもしれません。

TSUTAYA