マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

マインドファック『閉ざされた森』

閉ざされた森 コレクターズ・エディション [DVD]

「偽装」こそ 最も危険な武器である

閉ざされた森

2003年公開

監督 ジョン・マクティアナン

脚本 ジェームズ・ヴァンダービルト

出演 ジョン・トラボルタ
   コニー・ニールセン
   サミュエル・L・ジャクソン

ストーリー
──────────────────────────────────────────────────────
パナマ米軍基地にて、特殊演習中に密林に潜入した7人の内、4名が行方不明、1名が銃殺される事案が発生した。
現地駐在のジュリー・オズボーン大尉は生き残った2名の兵士から事情を尋問するも中々進展しない。
そこで突如元レンジャー隊員のトム・ハーディが駆り出されることになったのだが──。
──────────────────────────────────────────────────────

密林地での演習中に起こった不可解な事件を尋問を通して解明へと導こうとする軍人二人の奇怪な推理劇。
プレデター」「ダイ・ハード」等、アクション屋として名高いマクティアナン監督ですが、彼の作品を通してみると、圧倒的戦力で爽快感を作るというより、「戦力不足を頭脳戦で補い敵を倒す」という描写を得意としていることがわかります。そして本作はそんなマクティアナン監督の個性を顕著に現した内容と言えます。
生き残った2名から何があったのかを聞き出し、それを回想シーンとして映すことにより観客に「事実」として認識させる、『ユージュアル・サスペクツ』に似た手法を用いますが、本作はここから情報の様々な食い違いを起こし、複数のパターンの回想を出すことで、それまで観客が抱いていた事件の全体像を崩し、先の見えなささを演出する、上等な業前を披露しています。
そしてキャラの個性がモノを言うアクション出身としてのなごりもあってか、ミステリーにしては、妙に記憶に残るアクの強いキャラが多いのも魅力。個人的には、回りが男臭いせいか、必然的に頼りなくて可愛く見えてくるベリーショート堅物女軍人のヒロインのオズボーン大尉が好みでした。
アクションとミステリー、両方のスパイスが程よく利いていて、万人が楽しめる作品となっているのでオススメです。

TSUTAYA