マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

マインドファック『ステイ』

ステイ [DVD]

現実が消えていく世界で 

        僕らはどんな愛を知るのか?

ステイ

監督 マーク・フォースター

脚本 デイヴィッド・ベニオフ

出演 ユアン・マクレガー
   ナオミ・ワッツ
   ライアン・ゴズリング

ストーリー

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精神科医のサムは曰く付きの若い男性患者、ヘンリーから、21歳の誕生日に自殺することを告げられる。
その後ヘンリーに自殺を思い止まらそうと捜索するが、彼は失踪する。手がかりを求めてサムはヘンリーの身辺の調査に奔走するが、彼の期待とは裏腹に段々奇妙な事態へと陥っていく…。
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自殺を宣言し、行方をくらました患者を追う精神科医の奇妙な追跡劇を描いた幻想サスペンス。
近年珍しい、真っ向からのサイコ・サスペンスを演出した作品で、作品全体に漂う胡散臭い雰囲気や精神病院といった舞台を含め、私を含めたこの手の形式が好きな人にはたまらない内容になっています。
特質して挙げたいのは、物語の「キャラの役割」を敢て捉えにくくしている所。「サムがヘンリーを追っている」という構図を序盤に確立しておきながら、サムが精神的に「危うい」と印象づける演出をいれ、サムの妄想オチを匂わせれば、今度はヘンリー主観の場面を入れ、やはり怪現象を基軸にした群像劇かと、最終的に誰がどんな役割になるのかがまるで読めない作りはふっかけの緩急が上手く、飽きません。
本作は、そんな構成を含めて全て「オチ」に集約されている作品の一つ(所謂ネタバレしたら殺されても文句は言えない作品)で、延々と続けられたミスリードの中にあった伏線を一気に回収するラストも物悲しいながら圧巻の一言です

TSUTAYA