マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

『ハード・キャンディ』 ~ああ非情、ロリコンに明日はない~

赤ずきんが仕掛けるオオカミへのゲーム
ハード・キャンディ
1999年公開

監督 デヴィッド・スレイド
脚本 ブライアン・ネルソン
出演 パトリック・ウィルソン
    エレン・ペイジ

ストーリー

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出会い系サイトが趣味な独身カメラマン、ジェフ・コールヴァーはいつものように14才の少女、ヘイリー・スタークをチャットで誘い出し、家に呼び込むまで成功する。
しかし、彼女の自然体なしぐさに惑わされ、ジェフは睡眠薬入りのスクリュードライバーを飲まされてしまう。
目が覚め体を椅子に固定されているのを堪忍したとき、彼はヘイリーの本性を知ることに…。

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愛しさ余って憎さ百倍な純愛少女を「ヤンデレ」と称したのは、最近の話ですが、愛しさ皆無で憎さ億倍でベドフィリアを撲滅せんとする少女は何と呼べばいいのでしょう。
本作はそんな年端もいかない偏思想少女に恐ろしい意味で弄ばれる男の悲劇談です。
ただ少女を誑かす男が許せないという動機の元、逆に男に制裁を加える、といえば聞こえはいいですが、実質その行われる制裁は男から見れば鬼畜にも勝る所業そのもので、低予算で舞台も人物も代わり映えしない中、いやーな汗をたっぷりかくこと間違いなく、怖い意味で目が離せません。
そんなアンチベドフィリアを貫き通した本作の見どころは、悲壮な目に合うジェフとヘイリーとの「制裁」にいたるまでの会話の応酬にあります。
サディスティックな内容に加え、嫌な意味でウィットにとんでいるので、聞いているだけで、手汗ダラダラ出てくるという、他では聞けない異常なものになっています。内容的にもジェフに感情移入しきれたあたりなので、尚更この恐怖を堪能できる形になっているのも特筆。
個人的に今まで見たどんなホラーよりも恐ろしく、「二度と見たくない!!」と言い切れてしまうような話ですが、見ないで済ますにはあまりにももったいないともいえる作品です。

TSUTAYA