マインドファック『ダークシティ』
闇の都市に渦まく「謎」の複合体
1998年公開
監督 アレックス・プロヤス
脚本 アレックス・プロヤス
レム・ドブス
デヴィッド・S・ゴイヤー
出演 ルーファス・シーウェル
ジェニファー・コネリー
キーファー・サザーランド
ウィリアム・ハート
ストーリー
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ホテルのある一室の浴槽で目を覚ましたジョン・マードックは記憶喪失に陥っていた。その上、部屋のベットの片隅には血まみれの女性の死体が。
どうしよもなく途方くれていた時、一本の電話がかかってきた。電話の相手は、今ここに捜査員が向かっているからすぐに逃げろと急かした。
言うとおりに逃げ出した彼は、その後自分が連続殺人犯として指名手配されていることを知る。
何が何だかおかしくなりそうなまま過去の記憶についての手がかりを探すマードックは、深夜丁度になんと町の住民が一斉に動きを止める場面に出くわす。
そして彼は考え始める、おかしいのは俺ではなく、町のほうなのではないかと…。
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バットマンのゴッサムシティの様な暗黒街で、街を支配する『ヘルレイザー』のピンヘッドからピンを抜いたような青白スキンヘッドの宇宙人達と街の秘密を調べる記憶消失の主人公の戦いを描いたSFサスペンス。
とにかく舞台、BGM、SE、等々、要所要所が光る作品で、下手したら凡作になるじゃないかと思われるコンセプトを見事に飾り立てて一癖ある娯楽作品に仕上げてあるのが特徴。
「日毎に記憶が変わり別人になる住民」という設定も独創的で面白く、記憶がリセットされるたびに、一々セッティングし直す宇宙人たちの姿は笑いすら誘ってくれます。
特にセッティングの際に使う、「建物を変化させる能力」は、後半のマードックと宇宙人の戦いでも、アパートを伸ばして挟み潰そうとする等、武器代わりに使われてたりと汎用性が高く、これメインで一本書けるじゃないかと思わせるアイディア。
話も娯楽性に富んでいて、宇宙人に半ば強制的に協力させられていたシュレーバー博士が終盤にみせる意地のどんでん返しなどは、胸が高鳴る事間違いなし。
どうも雰囲気から敬遠されがちのようですが、どちらかと言えば万人向けの作品ですので、気軽に視聴してみてください。