マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

マインドファック『1408号室』

1408号室 [DVD]

心が壊れるまで出られない

2007年公開

監督 ミカエル・ハフストローム

脚本 マット・グリーンバーグ
   スコット・アレクサンダー
   ラリー・カラゼウスキー

主演 ジョン・キューザック

 

ストーリー

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超常現象に懐疑的な心霊ルポライター、マイク・エンズリンは、ある日ニューヨークのドルフィンホテルから一通の葉書を受け取る。
そこにはただ一言「1408号室には入るな」と…。
興味をそそられたエンズリンは、早速調査を始め、そこで宿泊した56名が自殺していることを知る。
そして遂に当のホテルへ乗り込み、支配人のオリンの言葉も耳にせず、1408号室に踏み入るが…。

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スティーブン・キング原作の閉じ込めらたホテルの一室で起こる絶望的密室怪奇ホラー。
部屋そのものが敵に回るというコンセプトの斬新さは、さすが(洗濯機やトラックが人を襲う作品を書いた)ホラー界の巨匠スティーブン・キングといったところですが、本作のその再現率も引けを取ってはいません。
ホテルの一室という限定された空間の中で行われるホラー演出は、限定的どころか、部屋の内装、窓から見える景色、使用できるあらゆる要素を利用することで、斬新なドッキリの量産に成功しています。

「部屋から抜け出せない」という生理的恐怖要素もそうですが、本作は何と言っても実に「いやらしい」恐怖演出で攻めてくるのが特徴です。上記のキャッチコピーからも分かる通り、本作の「敵」の目的はエンズリンの直接の殺害ではなく、精神的に追い詰め彼自身が自殺を選択するように仕向けることにあります。ですから絶妙なタイミングで意表をつくドッキリで精神疲労を狙ったり、エンズリン自身のプライバシーをほじくるような悪趣味な演出で、彼を絶望に導きます。
そんな責め苦に翻弄されるエンズリンがこの「見えない相手」にどんな行動ができるのか、ここまで先が「想像できない」ホラーも珍しいでしょう。

因みに、原作である『一四〇八号室』はホラーゲーム『サイレントヒル4』のコンセプト元にもなっており、ジャンルは違えど、よく比較の対象になっていました。
こちらも(悪趣味具合も含め)負けず劣らずの面白さなので、ぜひ一度プレイをおすすめします。

TSUTAYA