マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

『コラテラル』 ~友情は生まれない 絶対に~

コラテラル スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

その夜は いつものように 始まった

コラテラル

2004年公開

監督 マイケル・マン

脚本 スチュアート・ビーティー


出演 トム・クルーズ
   ジェイミー・フォックス

 

ストーリー
──────────────────────────────────────────────────────
将来独立することを夢見る平凡なタクシー運転手、マックスは、ある夜、ヴィンセントと名乗るビジネスマン風の男を乗せ、口が上手く、羽振のいい彼の頼みから仕事回り用の一晩だけ専属契約を受ける。
アパートの手前でヴィンセントを降ろし、暇をもて余していたマックスだったが、そこに謎の男の死体が車に降ってくる。
そして、何気ない顔で戻ってきたヴィンセントは自分は殺し屋であるとサラリと暴露して───。
──────────────────────────────────────────────────────

主人公とラスボスを共に行動させるという新しいタイプのスリルサスペンス。
物語におけるキャラクターの掘り下げというのは重要で、観客の感情移入を促すため、尺が許す限りどれだけの人物を深く描写できるかが、話の善し悪しに繋がってくると聞きます。
特に主人公とボスキャラに関しては、物語の中核だけあって、その必要性も絶大です。
だから、それぞれどちらの描写にどれだけパートを配分するのか、書き手が頭をところになります。
その点を本作『コラテラル』は、上記したとおり二者を同行させながら物語を展開させることで見事にクリア。何せ互いに会話させるだけで重要な両者の掘り下げができるわけですからね。
そして、本作の偉いところは、この二者を決して「同調」させなかった点にあります。
この手のストーリーなら、互いが語り合ううちに意気投合し協力し合う、という形にもっていこうとするのが一般の娯楽作品ですが、
本作はあえて、彼らの思想を混じり会わせることなく話を進めることで、両者のコントラストを際立たせ、キャラをより強く立たせ、同行中の緊迫感をラストまでキープさせる事に成功させています。

TSUTAYA