マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

マインドファック『アルタード・ステーツ~未知への挑戦~』

助けを聞いた時には 人間じゃなかった

 アルダート・ステーツ

1980年公開

監督 ケン・ラッセル

脚本 シドニー・アーロン

原作 パディ・チャイエフスキー

出演 ウィリアム・ハート
   ドリュー・バリモア


皆さんは「未開の地」と聞けば何処を思い浮かべますか?
ジャングルの未だ発見されていない秘境?
はたまた前人未到の深海の底?
もしかしたらこの広大な宇宙の最果てですか?
でも、そんな大層な所でなくても、「未開の地」は身近な所にちゃーんと残されています。
私達の「脳の中」という身近なところに…
それをテーマに誕生した映画、それが本作『アルタード・ステーツ』です。


ストーリー

  • 精神心理学者エドワード・ジェサッブは生命の起源を知るため、研究に熱中していた。ある日彼は妻の心配を他所に、かつて行っていたある実験を再開する、それは重厚な水槽の中で硫酸マグネシウムに浸りながら、幻覚剤でトリップすることで、脳の中の遺伝子が持つ記憶を探りだすという凄まじいものだった。
    そしてそれは、彼の予想を越える結果を見せるのだった…。

「脳の中」を「未開の『地』」とする奇文から始まりましたが、実際に脳内を旅行する様な実験をする研究があります。それが本作のモデルにもなった、ジョン・C・リリー氏の「変性意識状態」の研究です。
瀕死時や瞑想、薬物等から起こる強烈な幸福感を始めとした精神作用(早い話がトランス状態)に着目し、それの解明、コントールを目指した研究であり、水を貯めた鉄のタンクベッドの中に篭り、体の視覚、嗅覚、といった感覚器官を外界から遮断した状態でのトランスで「宇宙を見る」実験など、正に「脳内探検」と言うべき探求を数多く行っていました。

『アルタード・ステーツ』はこの研究が「究極の段階」まで行くとどうなるかを描いています。
「脳」を探検するということは、単に自分個人の記憶を掘り起こすだけじゃなく、生物としてのプロセス、遺伝子の記憶までも呼び覚ませるのではないか、そしてそれが成功すれば一体何が起こるのか、さらにその「次」はあるのか、

そんなあまりにも大真面目にブッとんだ研究主題にしたストーリーは、観客が心理学に全く興味を持っていなくても、学術的好奇心に満たしてしまうほどの強烈さを持っています。

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