マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

マインドファック『ニュースの天才』

アメリカ大統領も読む雑誌で

ニュースを作り続けた男の生き方が

ニュースになってしまった

ニュースの天才

2003年公開

監督 ビリー・レイ

脚本 ビリー・レイ

原案 バズ・ビッシンジャー

出演 ヘイデン・クリステンセン
   ピーター・サースガード
   クロエ・セヴィニー
   スティーヴ・ザーン

まず、本作『ニュースの天才』はアメリカの大手政治雑誌「ニュー・リパブリック」で起きた事件を描いた、紛れもないノンフィクション作品です。
しかし、私としては、本作は元ネタをあえて知らないままで視聴するのをおすすめします。
何故なら本作はその「元が実話」ならではの、実に斬新な騙しの構成を築いているからです。

ストーリー

  • 政治雑誌「ニュー・リパブリック」の若手記者スティーブン・グラスは斬新な切口で人気を集めており、他社からの依頼が来るほどだった。
    そんなある日、頼れる編集長のマイケル・ケリーが社長とのいざこざから解雇されてしまい、後任に元同僚のチャック・レーンが赴任したのであったが…。

ノンフィクションなのに、ネタバレ禁止という、少々無茶な話から始まりましたが、本作の作りがそれを推奨しているのですから、こう言わざる終えません。

創作的なオープニングや、グラスの記者生活にスポットをあてた前半の構成は、ノンフィクションとは思えないほど映画的で流れがよく、堅苦しさは微塵もありません。
ですから観客にとっては(特に映画好きほど)次の展開を予想しやすい作りと言えます。

しかし本作の面白いところはそこから「現実は甘くない」という元ネタの変えようのない「事実」容赦なく出すことで、それまでの予想をことごとく裏切り、フィクション気味に浮かれていた観客を現実におもいっきり引き戻し、逆に強烈なインパクトを与えるところにあります。

「現実は小説より奇なり」と言いますが、本作はそれを実に顕著に表現した名作と言えるでしょう。

TSUTAYA

amazonインスタント・ビデオ

Googleプレイムービー