マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

『サイレントヒル』 ~ゲーム界のマインドファック~

 

とても(特に日本では)マイナーなジャンルに入る「マインドファック」、
一見、普通に(?)アニメやゲーム等サブカルチャーに勤しむだけでは、見る機会も関わる機会もないであろうと思われるでしょう。
しかし、この「マインドファック」の要素を取り入れた作品の中にもビッグタイトルは存在します。

その最も足るのがこのゲーム「サイレントヒル」シリーズ。

サイレントヒル2

「バイオより怖いホラー」、いつしか界隈でのキャッチコピーというにまでなった、発売後のこの風聞が示す通り、それまでのゾンビやモンスターを銃器でガンガン打ち倒す、アクション寄りのホラーから一転した、「怖さ」を本気で追求したスタイルで当時のホラーゲーム界に革命を起こした作品として有名です。

バイオハザード」シリーズが、ジョージ・A・ロメロ系のゾンビ映画を取り入れたプレイヤーの「生存本能」をくすぶる形のものだったのに対し、本作は当ブログでも取り上げた「ジェイコブス・ラダー」やデヴィッド・リンチ作品を始めとするマインドファック作品を基板に、ジャパニーズホラー的な「静かな怖さ」を加えた和洋折中方針で演出を練り上げ、プレイヤーの「不安」を煽る事に重点を置いた作りを特徴としています。

「マインドファック」は基本ホラーとは相性がよく、今まで紹介した映画のマインドファック演出も大半がホラーシーンに使われています。そのことをいち早く察知し、それをゲームの演出に惜しみなく導入したのですから、スタッフの感性には只々感服するばかりです。 

本作の演出の元ネタを調べていくと、実に幅広くネタを集めていることがわかります。

恐らくこの「サイレントヒル」をプレイして、スティーブン・キングデヴィッド・リンチといった、海外の名立たる個性派作家達に興味をもった方も多いと思います。かくいう私も本作の世界観に惹かれ、プレイ後もまだ食い足らず、飢えを満たさんと模索していく内にこのジャンルに辿り着いた口ですから。

ですから本作プレイしてみて、もし雰囲気が自分の感性に合うなと思ったら、是非とも「MindFuck」にも目を向けてみることをおすすめします。