マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

マインドファック『トゥルーマン・ショー』

トゥルーマン・ショー [DVD]

ご覧の番組は 彼だけ知りません

トゥルーマン・ショー

1998年公開
監督 ピーター・ウィアー
脚本 アンドリュー・ニコル
出演  ジム・キャリー
         エド・ハリス
    ローラ・リニー

以前某メディア会社の就活時の試験にて、「視聴率100%の番組とは何か」という問題に対する議論を述べよ、というものがあったと聞きました。
要は「世界一面白い見せ物」は何かという話ですが、
その大きなヒントが本作『トゥルーマン・ショー』にあったと何人の人が知っているでしょうか。

ストーリー

  • 離島シーヘブンにて保険のセールスマンをしている好青年、トゥルーマン・バーバンクはある日道端で、死んだはずの父親と「ばったり」出くわす。
    だが父親は回りにいた町の住民らに押し込められる形でバスに乗り込み、何処へとなく消えてしまう。
    そしてトゥルーマンは消えた父親の真相を探す内にその違和感を不自然にそれを妨害する町の住人、町そのものから感じることに気づき始める…。

この作品もまた「主人公vs世界」の構成をとった「作られた世界」系の話ですが、本作ほどその「作られた世界」を滑稽に描いた作品はないでしょう。
トゥルーマンがどんより落ち込むとそこに「超集中豪雨」を降らせトゥルーマンがそれを避けると後を追うという、正にカートゥーンの様なわざとらしさ。
そんなふざけてはいるが真相を知らさせない為の秘密保持は完璧という、実にいやらしい世界に翻弄されるトゥルーマンの姿は滑稽なのに、笑う暇をあたえないほどのスリルを提供してくれます。

話の構成の緩急のうまさとトゥルーマン役のジム・キャリーの絶妙な演技力のマッチングもまた見事で、ジムの笑顔全開のキャラ作りは、始めはくどく思えるかもしれませんが、物語が急展開を見せる頃には、あの笑顔が救いに見えてくるのだから驚きです。

そして上記した「世界一の見せ物」論の解答と、それを求めるメディアに対する痛烈な批判を同時に且つ無理なく且つ気持ちよく実行してしまうのも本作の魅力の一つです。

TSUTAYA

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