マインドファック『シャッターアイランド』
この島は何かがおかしい
2010年公開
監督 マーティン・スコセッシ
脚本 レータ・カログリディス
原作 デニス・ルヘイン
出演 レオナルド・ディカプリオ
マーク・ラファロ
異様な雰囲気を旨とするマインドファックにとって精神病院ほど格好の舞台はありません。
本作『シャッターアイランド』もその精神病院を使った異様な雰囲気を見事に駆使した名作の一つです。
ストーリー
- 精神疾患の犯罪者を隔離する孤島の刑務所「シャッターアイランド」に、連邦捜査官テディ・ダニエルズは相棒チャックと共にこの地で起きた1人の女性の失踪を調べるためにやって来るのだが…。
精神病院ならぬ、精神監獄の印象は絶大で、「人」をできない人に囲まれた常識がない生活する孤独感と不安感を、テディを通じてイヤというほど痛感させられます。
以前テレビで実際にメキシコの同じく精神疾患の犯罪者の隔離施設に正常で入った人物のインタビューで「自分もだんだん気が変になっていくのがわかった」と言っていたのを思い出します。
きっと環境の力とは絶大で、如何に本人に変わるまいという強い意思があっても、徐々に、確実に影響を及ぼしてしまうものなのでしょう。
物語は主に監獄の管理者側との駆引きがメインとなりますが、管理者側の秘密を探るため数多くの囚人と異様な監獄の姿を拝まさられることになり、テディだけでなく、視聴する私達までもその環境の恐怖を体感することになるでしょう。
そして物語自体もその異様性に合わせて、そのおぞましい全容を晒しだしていくのです…。