マインドファック『裸のランチ』
溺れるおそれあり
裸のランチ
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
原作 ウィリアム・バロウズ
薬中作家+変態ビジュアル監督の驚異の組み合わせによる上級マインドファック。
といってもほとんど監督のオリジナルの様なものですが。
関係者の名前を知った段階でまともな作品になるはずがないと思ってましたが、その予想はいい意味で的中します。
ざっくりと言うと主人公ビルが怪事件に巻き込まれていく、というのが本作の基本プロットです。しかし注目すべきなのは、原作の薬中の妄言の様な内容を体現したようなその演出の異常性です。
主人公と行動を共にする(?)メンツが背中に肛門がついたゴキブリタイプライターや頭から突出したナニをしゃぶれとせがむ怪人といったもので、どう考えても会話する対象じゃありません。
そんな変態色全開のインパクトの強いキャラクター達が唐突に画面に現れ、主人公を巻き込んでやりたい放題。
それらの演出の印象が強すぎてストーリーが早い段階で頭の外に放り出され、混乱の極みに達するのは間違いないでしょう。
頭を空っぽにして異常な超展開を楽し観たいときにはピッタリの映画と言えます。