マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

マインドファック『バニラ・スカイ』

バニラ・スカイ ― スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

人はさらなる夢に手を伸ばす
   それがたとえ悪夢であっても・・・

バニラ・スカイ

2001年公開

監督 キャメロン・クロウ

脚本 キャメロン・クロウ

原案 アレハンドロ・アメナーバル
   マテオ・ヒル
 
出演 トム・クルーズ
   ペネロペ・クルス
   キャメロン・ディアス

 

ストーリー

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ハンサムで裕福、自由な恋愛と、人生を謳歌する青年デヴィッド。彼はとあるパーティでソフィアという女性に本気の恋をする。しかし、その事に嫉妬した前の彼女であるジュリーにより、車の暴走による無理心中に巻き込まれる。
そこから何とか生還したデヴィッドであったが、その精悍な顔は見る目無惨なものになっていた…。

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主演をトム・クルーズに添えた、怪作『オープン・ユア・アイズ』のハリウッドリメイク。
本作を紹介する上で欠かせないのは、上記のストーリーでも分かる通り、その内容が驚くほどに原作と同じであること。比較して観ると尚更わかりやすいですが、話の展開はもちろん、会話の内容、役者の仕草等々、そこまでするかと言いたくなるほどに完全再現を根ざした作りになっています。
本作のDVDの特典に「前書き」なる項目がありましたが、そこで監督が原作に対する愛を嬉々として語りながら解説していた点からしても、かなり入れ込んでいたようで、この再現ぶりが意図的なものであることが伺えます
どちらかというと、修正した部分より追加された場面が多いので、「作り直した」というよりは「補足」したというべき内容、しかし、それがマイナスに働いているかといえばそうでもなく、元々要点だけ簡潔にまとめた作りの原作に、説明しきれなかった要素を丁寧に掘り下げたという点で、娯楽性の向上に成功しています。
大衆向けを旨とするハリウッドらしく、恋愛描写には特に力をいれていますが、元々のテーマの相性の良さもあって、蛇足どころか違和感すら感じません。
内容がほとんど代わり映えしないので、原作を観た延長で観ようとすると、強烈な睡魔に襲われるかもしれませんが、今作がどれだけ『オープン・ユア・アイズ』愛に満ち溢れているかを確認できるという面で、私は両方の試聴をおすすめします。

 

TSUTAYA