マインドファック映画欄

主にサスペンスやマインドファック系の洋画の紹介、たまに雑記を少々

『カプリコン・1』 ~NASAがキレた曰くつきサスペンス!~

300億ドル・・・

世界初の有人火星宇宙線
秒読みに入ったとき
3人の宇宙飛行士が消えた! 

 
1977年公開
監督 ピーター・ハイアムズ

ソ連のユーリィ・ガガーリンが宇宙に出てから早52年、今では発展途上国でさえロケット・衛星は当たり前という時代になりました。
そんな宇宙開発史の中の一番のビッグイベントといえば、やはり「アポロ計画」の月面着陸でしょう。
人類の英知の象徴として度々クローズアップ、絶対視されてきたこのプロジェクト、
本作『カプリコン1』はそこにあえて異を唱えました
 
ストーリー
  • 人類初の有人火星探査船「カプリコン・1」、その打ち上げの直前パイロットのブルーベイカー、ウィリス、ウォーカーは突如船を降ろされ、砂漠内の無人の基地に連行される。
    そこで彼らは「カプリコン・1」には生命維持に問題があり発射ができない、しかし政治的問題から中止は不可能であることを知らされる。
    そこでこれからこの基地内で撮影セットを使い、火星に下り立った様な映像を撮り、捏造を行うようにと迫られるが…。

 

この映画は火星探査船を通じて、かの「アポロ計画」に対する隠蔽説を暗に押し出した実に挑戦的な作品です。
「アポロの映像はインチキだ」というアポロ撮影論は宇宙開発ブーム時代のオカルト議論の筆頭に立つほど話題を呼びました。現在でもこの説は根強く残っており、ハッキリした論破もされていません。
そんなNASA隠蔽説を真正面から撮ったのが本作なわけです。
これにはNASAもビックリ、何せ当初はこの映画に全面協力の意を示していたのですから
試写の後は一転、完全拒否に態度を変えたことは言うまでもありません。

脱出劇、政治的謀略、ドッグファイト等々、色々詰め込んだ感がある構成ですが、目線を変えれば「一つの映画で二度三度美味しい」ということなので、その点にだけ目を瞑れば、この宇宙開発史に対する貴重なアンチテーゼ作品を楽しむことができるでしょう。